薬局で待ち時間が長すぎると感じたら、それは「疑義照会」が理由かもしれません。

薬局で待ち時間が長すぎてうんざりした経験のある方、多いのではないでしょうか。

 

総合病院の近くの薬局など、自分より前に待っている人がたくさんいるならともかく、ほとんど患者さんがいないのに、いつもの薬が欲しいだけなのに、なぜこんなに待たされるのか。

 

もしかしたら、その理由は「疑義照会(ぎぎしょうかい)」に手間取っているからなのかもしれません。

 

「疑義照会」とは、薬剤師が処方せんの内容について、医師に問い合わせることを言います。

 

「薬剤師は、処方せん中に疑わしい点があるときは、その処方せんを交付した医師、歯科医師又は獣医師に問い合わせて、その疑わしい点を確かめた後でなければ、これによって調剤してはならない。」(薬剤師法第24条)

という決まりがあり

 

・薬の名前を間違って記載しているかもしれない

・同じ成分の薬が重複して処方されている

・年齢や体重に対して薬の処方量が適切でない可能性がある

・他でもらっている薬との飲み合わせに注意が必要

 

など、気になることが出てきたら、その場で医師に確認を取ることになっているのです。

 

疑義照会は、特に問題がなければ数分で終わることが多いのですが、そうはいかないケースもあります。

 

かつて勤めていた、ある薬局の例です。

 

その薬局では、主に隣の病院からの処方せんを受け付けていたのですが、その病院に疑義照会するときは「FAXですること」になっていたのです。

 

おおよそ、こんな流れになります。

 

① 問い合わせ内容を用紙に手書きする

② FAX送信する

③ 病院に「疑義照会のFAXを送りました」と電話する

④ 医師からの返信がFAXで届く

⑤ 返信内容を確認して患者さんに薬をお渡しする

 

これでは時間がかかるのも無理はありません。

 

他の患者さんの診察中・検査で手が離せないなどの理由で、医師からの返事が遅くなることもあります。

 

この薬局では、①⇒⑤ までに30分以上かかることもありました。

 

そのため、私がこの薬局で疑義照会するときは、あらかじめ「〇〇のことで問い合わせます、FAXでやり取りします、場合によっては〇〇分くらいかかります」とお伝えするようにしていましたが、それで待ち時間が短くなるわけではなく、早く帰りたい患者さんには負担になっていたと思います。

 

このような事情は、病院や薬局を外から見ただけでは分かりにくいところです。

 

いろいろなシステムが改善されて、薬局でのやり取りがよりスムーズになることを期待したいです。

 

 

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