🔄2023.11.12 更新
問題
ある病院の前に薬局が2軒ありますが、「基本料金」が違います。
A薬局:420円+300円+390円=1110円
B薬局:160円
ちなみに、どちらの薬局に入っても、全く同じ薬をもらうことができます。
あなたはどちらの薬局で薬をもらいますか?
・・・「B薬局」とお答えの方がほとんどではないかと思います。
そして、このような例は、実際に良くあることなのです。
今日は、これまでの記事を振り返りながら、薬局の「基本料金」について、詳しく書いてみたいと思います。
薬代の計算方法
以前、こちらの記事で、薬局の薬代は
を合計した金額であること
そして、薬代の計算方法は薬局ごとに違うので、全く同じ薬をもらっても「高い薬局」と「安い薬局」がある ことをお伝えしました。
また、こちらの記事では、薬局には「調剤基本料」という「基本料金」があること
「調剤基本料」は大きく分けて5種類あり、薬局によって金額に差がある(160円~420円)こと をお伝えしました。
さらに、こちらの記事では、
ジェネリック(後発医薬品)の調剤割合が高い薬局ほど、薬代の「基本料金」に「追加料金」(210円~380円)がかかることをお伝えしました。
そして、こちらの記事では、
地域医療に貢献していると認められた薬局では、薬代の基本料金に「追加料金」(170円~470円)がかかること をお伝えしました。
(上記4つの記事を読んだ後に、以下の記事をお読みいただくと、より分かりやすくなります)
薬代が950円違う??
薬局の「基本料金」である「調剤基本料」は、大きく分けて以下の5種類になります。
・調剤基本料1 → 42点 = 420円
・調剤基本料2 → 26点 = 260円
・調剤基本料3-イ → 21点 = 210円
・調剤基本料3-ロ → 16点 = 160円
・調剤基本料3-ハ → 32点 = 320円
そして、ジェネリック(後発医薬品)の調剤割合が高い薬局にかかる「追加料金」は、以下の3種類になります。
・後発医薬品調剤体制加算1(ジェネリックの調剤割合80%以上)→ 210円
・後発医薬品調剤体制加算2(ジェネリックの調剤割合85%以上)→ 280円
・後発医薬品調剤体制加算3(ジェネリックの調剤割合90%以上)→ 300円
さらに「地域医療に貢献している」と認められた薬局にかかる「追加料金」があり、以下の4種類になります。
・地域支援体制加算1 → 390円
・地域支援体制加算2 → 470円
・地域支援体制加算3 → 170円
・地域支援体制加算4 → 390円
この3つの項目、「調剤基本料」「後発医薬品調剤体制加算」「地域支援体制加算」の組み合わせによって、薬代の「基本料金」は変わってきます。
先ほどの「A薬局」と「B薬局」を比べてみましょう。
A薬局:「調剤基本料1」・「後発医薬品調剤体制加算1」・「地域支援体制加算1」の基本料金は
420円+300円+390円=1110円 です。
一方
B薬局:「調剤基本料3-ロ」・「後発医薬品調剤体制加算」なし ・「地域支援体制加算」なし の基本料金は
160円+0円+0円=160円 です。
両者の差は
1110円-160円=950円 です。
この場合、全く同じ薬をもらっても、薬代が950円(3割負担の方なら290円)違うことになるのです。
どの薬局に処方せんを持って行くかは、自由に決めることができます。
「安い薬局」を選ぶのか、「高い薬局」を選ぶのかは、あなた次第です。
それなら「調剤基本料3-ロ」で「後発医薬品調剤体制加算」と「地域支援体制加算」のない薬局を選べば、いちばん「お得」なのでしょうか?
・・・必ずしもそうではありません。
なぜなら、こちらの記事でもお伝えしたように、薬代は調剤基本料だけではなく、他の項目を合わせた金額で決まるからです。
「安い薬局」の見つけ方
それでは、最終的に「安い薬局」を見つけるにはどうしたらいいのでしょうか?
そのヒントは、厚生労働省が毎月発表する、「リスト」の中にあります。
「リスト」を見れば、薬代の「安い薬局」を見つけることができます。
そして、各薬局の、「調剤基本料」の種類や、「後発医薬品調剤体制加算」「地域支援体制加算」の有無を知ることもできます。
以下の記事で、この「リスト」の見方を、都道府県別に書いています。
ぜひ参考にしてください。